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A.C.C.勉強会(第3回特別集中講義)
−軸組構法木造建物の耐震性能について−
検証実験から耐震設計・補強まで

我々、住宅を設計するものにとって、木造の耐震性はすじかいや合板で性能(法律に基づく)を出していると思います。しかし、木造伝統構法が見直されている中、「貫構法」や「落とし板壁構法」、はたまた今まで評価の対象外だったタレ壁や腰壁のいわゆる「雑壁」までも評定に上がる様になってきました。そして、それを法律上に載せることも可能になってきました。
すじかいや合板がどの位で壊れ、伝統構法がどのくらいまで耐えるのかを実感する良い機会になると思います。

鈴木 祥之( よしゆき)先生
(京都大学防災研究所教授)
講   師 :
場   所 : TOTOショールーム マルチスペース
〒460-0008 名古屋市中区栄2−3−1
名古屋広小路ビルジング B1階
052−201−0220
日   時 : 平成15年6月7日( 土 )
13:00  開場
13:30  開講
16:30  終講
会 場 費 : 一般 1500円/1人
学生 500円/1人
A.C.C.会員 無料
問い合せ: A.C.C.事務局 名古屋市千種区新池町3-9-1
TEL/FAX :052-783- 1028
E-mail:tokairin@gaea.ocn.ne.jp



■ 講演題目
軸組構法木造建物の耐震性能について−検証実験から耐震設計・補強まで−

■ 講演内容
社寺建築や民家など伝統的な軸組構法の木造建物は、木材や木組みの粘り、貫構造や土壁などの伝統的な軸組構造によって、建物がしなやかに変形して地震に耐えようとするものですが、伝統的な軸組構法の特徴である、複雑な木組みや多様な構法などは、構造力学的な解明が十分でなく、解析や計算が難しいと言えます。耐震設計や耐震診断・補強の際に、解析や計算が難しいから簡易な壁量計算で済ます訳にはいかないのです。筋かいや合板等の耐力壁によって耐震性能を確保する耐力重視型の設計法には、現在の強度型設計法である壁量規定や許容応力度設計法は適していますが、伝統的軸組構法のように、耐力のみならず、しなやかな変形性能を生かした木造建物には適していません。このような現状に対して、軸組構造の基本的な単位フレームの振動実験・静的加力実験や実大2階建木造住宅の振動実験等を行い、軸組構法の構造メカニズムを明らかにし、耐震性能を適切に評価することから始めて、軸組構法に適した新しい耐震設計法の開発が進められてきました。この結果、伝統的軸組構法についての構造解析が実現し、すなわち壁量規定によらずとも、建築基準法に適合した限界耐力計算による耐震性能評価が適用できるようになってきました。この耐震設計法は軸組構法木造建物の新しい設計法であり、新築はもとより耐震改修にも幅広く対応できるものであります。設計法の基本的な考え方を知っていただくために、軸組構法に用いられる耐震要素である貫構造、土壁などがどのような耐震性能をもっているか、地震時に実際の木造軸組がどのように揺れるか、などを説明し、具体的な耐震設計、耐震補強設計の事例を紹介します。

■プロフィール
鈴木 祥之(すずき よしゆき)
京都大学防災研究所教授。
京都大学工学博士。

■専門領域
  ・耐震信頼性設計法の理論的研究
  ・制震構造システムの開発に関する理論的・実験的研究
  ・都市地震災害の予測推定と防災対策に関する研究
  ・阪神・淡路大震災後は、木構造の再構築と木造文化の再生に関する研究に従事。
   構造物の耐震信頼度解析法に関する研究により90年日本建築学会賞(論文賞)受賞。



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